オンラインで「湯の花せんべい」を購入して旅行気分を味わう 世界にも進出する『日の出屋製菓』のデジタルツール活用

新型コロナウイルス感染症による観光客の減少、休業の影響で、銘菓「湯の花せんべい」も多くの在庫を抱えることとなった。その危機を救ってくれたのは、人と人とのつながりや、以前から継続してきたInstagram等のSNSでの情報発信だった。デジタルを活用してピンチの中にもチャンスを見いだしている『日の出屋製菓』の取り組みをご紹介! 菰野町

オンラインで「湯の花せんべい」を購入して旅行気分を味わう 世界にも進出する『日の出屋製菓』のデジタルツール活用
日の出屋製菓のデジタルツール活用のおすすめポイント
・SNSを通じた情報発信がコロナ禍での助けに
・コラボレーションパッケージ、オンラインショップやWeb来店への取り組み
・伝統あるパッケージデザインへのAR技術活用



観光客減少でせんべいの在庫が積みあがる。危機を救ってくれたのはオンラインを通じた人々のつながり

オンラインで「湯の花せんべい」を購入して旅行気分を味わう 世界にも進出する『日の出屋製菓』のデジタルツール活用
御在所ロープウェイをかたどったデザイン

日の出屋製菓は昭和32年に創業。ピンクの缶が印象的な「湯の花せんべい」は、60年前のオリジナリティあるパッケージデザインに微細な変更・修正を繰り返し改良を加えつつ、伝統のパッケージを守ってきた。

そんな日の出屋製菓に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が直撃した。湯の山温泉への訪問客は減少し、取引先の観光施設は休業。それに伴ってお土産物の販売も落ち込み、大量の在庫を抱えることになった。一時は工場も休業することとなり、事業の先行きすらも危ういと感じられる場面もあった。

危機を救ってくれたのは、地元菰野町の仲間の事業者と、これまで積み重ねてきたブランド、そしてSNSでの発信だった。これまでも観光協会の理事を務めるなど菰野の観光に関わる活動を続けてきたこともあり、一緒に活動しているメンバーに湯の花せんべいの苦境を伝え、SNSでの発信を依頼するとそれが拡散。SNS経由での注文が入り、さらにSNSでの発信についてウェブニュースで取り上げられることで注文が増える…といった好循環が生まれ、在庫をなくすことができた。
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公式Instagramでタグをつけて商品を紹介。日本全国から注文が入った

この爆発的な注文の経験を踏まえて、ウェブサイトとオンラインショップを一新した。以前は販売サイトが古く、銀行振り込み・代引きのみを取り扱っていたが、新しいサイトは既存のオンライン通販システムを活用して見やすい形で商品を掲載できるだけでなく、様々な決済システムも利用できる。この冬からはオンライン上の3D来店やWeb来店も開始した。

オンラインで「湯の花せんべい」を購入して旅行気分を味わう 世界にも進出する『日の出屋製菓』のデジタルツール活用
店舗に機材を設置してWeb来店を実施

3D来店では湯の山温泉希望荘の店舗内を実際に歩いているように買い物が楽しめるのに加え、店舗外のテラス席へ出ると綺麗な夜景動画や湯の山温泉の景色も見られるようになっており、実際の訪問が難しくても観光体験ができるシステムが提供されている。

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【3D来店はこちら】

様々なコラボレーションと着実なInstagram発信で商品ブランドをPR

昔から変わらないレトロな缶のデザイン自体が目を引く、湯の花せんべいのパッケージ自体も日の出屋製菓の資産だ。三重県近郊の出身であれば、子どものころにお土産でもらった、自宅で空き缶を活用している…などの記憶が想起される人もいるだろう。

実はコロナ禍以前から、日の出屋製菓では、パッケージデザインを活用したおもしろい取り組みを、実施している。これまでに湯の山温泉が「男はつらいよ」の舞台となっていた縁による「寅さんコラボパッケージ」や、BEAMS JAPANとのコラボレーションなどを行ってきた。この二つの取り組みはいずれも、デザイナーが湯の花せんべい缶を持っていたり、バイヤーの親族が三重県に住んでいて元々湯の花せんべいを知っていたりというつながりがあったことから実現したものだ。
オンラインで「湯の花せんべい」を購入して旅行気分を味わう 世界にも進出する『日の出屋製菓』のデジタルツール活用
限定の寅さん缶。3つのデザインがある

日の出屋製菓では、このような新しい取り組みや催事情報の発信に加え、湯の山温泉の様子など、ひんぱんにInstagramに投稿している。単にお土産物を売るだけでなく、観光体験まで含めて伝えていきたいという思いからだ。見てもらいやすい朝夕の時間帯に投稿を続けている。SNSは距離や時間の垣根を超えて色々な人が見てくれる。海外在住の日本人から問い合わせがあったり、東京のバイヤーがSNSを見て湯の花せんべいを知ってくれていたりと、これまでの地道な取り組みが実を結びはじめている。

さらに、商品のパッケージにAR(拡張現実)を組み合わせるという新たな取り組みにも挑戦している。Instagramの日の出屋製菓アカウントからカメラを切り替えると、被写体の背景に360°温泉街の風景が現れ、現地の自然音が流れる。もうひとつは限定パッケージにある風船をInstagramを使って撮影すると、ハートが浮かび上がって飛んでいくという仕組みだ。「かわいさ」とこれまでのパッケージを組み合わせた体験が評判となり、ニューヨークでもパッケージが展示された。
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湯の花せんべいARパッケージ。売り上げの一部はコロナ関連の募金に寄付される

いずれの商品もオンラインショップで購入することができる。また、Instagramからも直接購入サイトにアクセスできる。※寅さん缶は無くなり次第販売終了

https://hinodeya-seika.stores.jp/
https://www.instagram.com/hinodeya_seika/

日の出屋製菓のデジタルツールへの取り組みは、実は一つ一つが大きなものではない。Instagramへの発信などからはじめて、トライアンドエラーで進めてきた。まずはやってみて、そこで生まれたつながりが、リアルでの商品販売や、世界中への情報発信にもつながっている。是非一度、日の出屋製菓のSNSをご覧いただき、湯の花せんべいや湯の山温泉の魅力を感じていただきたい。

<施設情報>
日の出屋製菓
住所:三重県三重郡菰野町菰野5062
HP:https://www.hinodeya-seika.net/

商品の取扱い店舗一覧はこちら
https://www.hinodeya-seika.net/company/

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